表皮のしくみ

肌のこと

普段わたしたちが目にしている肌はこの層です。
スキンケア用品や化粧品でケアできるのは表皮部分だけ。
薄いながらも、体を守ってくれる頼もしい器官です。

表皮は5層でなりたつ

表皮の断面図 

表皮は表面から、

1.角層 2.透明層 3.顆粒層 4.有棘層 5.基底層

の5つの層からできています。

その細胞はどれも、角化細胞(ケラチノサイト) からできています。

表皮のしくみ

角化細胞が5層をあがっていく旅

表皮は、基底細胞でうまれた角化細胞が
次に生まれた細胞に押し上げられていく仕組みになっています。
ところてん方式というわけです。

下から基底層有棘層顆粒層透明層(手のひらや足の裏のみにある層)→ 角層 という順番です。

順に押し上げられながら角化細胞は
形を変えていきます。

それぞれの層の役割

基底層

基底細胞が構成する層。一層で形は円柱状。
細胞にはメラニンが含まれている。

有棘層

マルピギー層とも呼ばれる。表皮の中でもっとも厚い。
構成する細胞は有棘細胞。細胞どうしが棘で結ばれているように見える。

形も変化し高さが低くなり、横に広がる。

数層~10層くらいになる。
細胞間のすき間があり、間をリンパ液が流れる

顆粒層

この層の細胞は顆粒細胞となり、紡錘形の形になる。
ケラトヒアリン顆粒を含んでいる。

透明層

手のひら、足の裏にある層。他の部位にはない。

角層

最後に角質細胞となる。無核で死んだ細胞であり
これが10層~20層にも重なり合うことでできている。

層の底のほうでは、細胞同士がくっついて隙間がないが
表面に近づくにつれて細胞間に隙間ができはじめ
鱗が剥がれるように落ちていく。

死んだ細胞が最後まで活きるしくみ

表皮は肌の3層あるうちの表面で1層目です。
日頃から目にする場所で、とても薄い場所にも関わらず
表皮の細胞は5層を旅して5回変身します。

最終形態の角化細胞は、細胞の核がなくなり
どんどん平べったくなっていっても
「体を守る」という役割をこなします。

そして最後、日めくりカレンダーみたいに
新しい細胞に役割を渡すのです。

この剥がれた細胞というのは、「垢(あか)」と呼ばれるものです。
体の老廃物というイメージが多いのですが
5層を駆け上がって勇退した細胞だと思うと
今後の違う印象になりそうです。

「体の器官に無駄なものはない」といいますが
細胞一つとっても無駄なものはないのですね。

タイトルとURLをコピーしました